— 想像していた“往復のかたち”が、少しずつ現実になってきた —
こんにちは。逢瀬いなか体験交流協議会の中潟です。
2025年11月、私たちは東京で2つのイベントに出展しました。
ひとつは新宿御苑での 「GTFグリーンチャレンジデー」。
もうひとつは文京シビックセンターでの 「文京エコ・リサイクルフェア」。
どちらも、逢瀬町の野菜販売と体験ブース。
けれど、そこに込めた意味は「物販」以上のものでした。
この一年かけて積み上げてきた“貢献型旅行の実践”が、
ようやく都市のまんなかにたどり着いた——そんな時間でした。
すべては2025年1月の「説明会」から
1年前の冬。2025年1月に、逢瀬町で開催した
「貢献型旅行」事前説明会が始まりでした。
地域の方々に「学生が来る」ことの意味を伝え、
どう受け入れ、どう一緒にまちをつくるかを話し合ったあの日。
あの場で描いた「学生と地域が支え合いながら動く未来」が、
いま確かに形になり始めています。
2月:モニターツアーで生まれた「最初の往復」
続く2月には、大学生が逢瀬町を訪れるモニターツアーを実施。
“観光ではなく貢献”をテーマに、農家のお手伝いをしながら地域の人と食卓を囲みました。
「来て、手伝って、感じて、また来たいと思う」——
その原点の体験が、後の学生たちの行動を変えていきました。
このツアーをきっかけに、逢瀬に“友人がいる”学生が増えていきます。
9月:学生企画ツアーへ、主体が入れ替わる
そして9月。次に動いたのは学生たちでした。
彼ら自身が企画・運営を担当する「学生企画ツアー」を実施。
内容の設計、日程の交渉、現地での受け入れまで。
地域が「迎える側」から「一緒につくる側」に変わり、
学生が「参加者」から「設計者」へと変化していく——。
そのプロセスが、貢献型旅行の理想そのものでした。
この流れの延長に、11月の東京出展がありました。
舞台を“都市”に移しながらも、やっていることは同じです。
「関係を往復させる」こと。
🧺 11月:東京で“つづき”をひらく
秋。
逢瀬で出会った学生たちが、今度は東京で地域の語り手となりました。
▶ GTFグリーンチャレンジデー(11/2 新宿御苑)
- 文京学院大学まちラボ × おおせのとおり 共同出展
- 竹ぽっくりワークショップ&逢瀬野菜の販売
- 売上約8万円、野菜はほぼ完売
- 学生代表がメインステージに登壇し、地域との学びを発表
▶ 文京エコ・リサイクルフェア(11/8 文京シビックセンター)
- 逢瀬町産の野菜販売ブースを出展
- 来場者との会話を通じて“ふくしまプライド”を伝える
- 売上訳15万円
- 「おいしい」「また買いたい」との声が多数
どちらの会場でも、学生は笑顔で立ち、
地域スタッフと肩を並べてブースを切り盛りしました。
逢瀬での経験が、確かな言葉と行動に変わっていく——。
その姿を見て、「こうなっていく姿を想像していました」と思いました。
ふくしまプライドを“逢瀬単位”で
「ふくしまプライド」という言葉を、
私たちは“県のキャッチコピー”ではなく“地域の実践”として受け止めています。
誰が育て、どんな暮らしの中で生まれた野菜なのか。
それを自分の言葉で語りながら販売する。
その一つひとつの行為が、逢瀬という小さな地域の誇りを形にしていきます。
地域の顔が見える誇り。
それを都市で伝えることこそ、今年度の大きな目的でした。
竹の音が響く、“往復する関係”
GTF会場では、子どもたちが竹ぽっくりで遊び、学生が支え、
地域の大人が竹の背景を語りました。
ひとつの竹をめぐって、地域・学生・都市が交わる光景。
放置竹林という課題から、遊びや体験へと転換していく姿は、
逢瀬らしい“楽しさの中にある学び”そのものでした。
想像していた未来の中に、いま立っている
この一年、逢瀬はいろんな人の往復で少しずつ変わっていきました。
1月に地域が受け入れを決め、2月に学生が来て、9月に学生が企画して、
11月には東京で地域を伝える。
すべてがつながっていて、どれもが“ひとつの旅のつづき”でした。
逢瀬に来ることがゴールではなく、
東京で語ることがまた次の始まりになる。
そんな関係を、これからもゆっくりと育てていきたいと思います。
そして次のつづきへ
逢瀬いなか体験交流協議会は、これからも
学生・地域・都市を往復でつなぐ「貢献型旅行」を続けていきます。
あの日、逢瀬の公民館で描いた“未来予想図”のページを、
少しずつ現実にしていく旅の途中です。
東京で出会えたみなさん、また逢瀬で会いましょう。
そして、逢瀬で出会えたみなさん、また東京で。
—— 逢瀬のつづきは、きっとまだこれからです。
— 中潟亮兵(逢瀬いなか体験交流協議会)
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